我慢しないで!モラハラ夫の特徴や原因・4つの対処法

あなたは「モラハラ」という言葉を聞いたことがありますか?テレビやネットで言葉は耳にしたことがあるが、詳しい意味は知らない。という方も多いかと思います。しかし、実はモラハラは日本では近年、離婚原因の上位を占めるほど深刻な問題になってきています。自分の夫がモラハラなのに気付かないでいる女性もいるかもしれません。ここでは、モラハラについて、原因や特徴、対処方法についてご紹介します。

モラハラとは

モラハラとはどんなことをいうのか、モラハラをする側、される側にはどんな特徴があるかを詳しくご紹介します。

「モラハラ」の意味

「モラハラ」とは、正式名称を「モラル・ハラスメント」といいます。モラハラは自分勝手な倫理(モラル)を振りかざして、嫌がらせ(ハラスメント)をする行為をいいます。モラハラは「精神的DV」と呼ばれることがあり、外には分かりにくい暴力なのです。
家庭内では夫が妻へ、恋人同士では彼から彼女へ、また職場でのモラハラは上司から部下への嫌がらせというケースが多くみられます。どの場合でも、特定の相手のみに嫌がらせをします。ここでは家庭内の夫から妻へのモラハラを取り上げてお話していきます。

モラハラをする側の人の特徴

モラハラと亭主関白は全く違います。夫が亭主関白で、いつも夫の言うことを尊重しているという家庭もあると思います。その場合は、夫が「頼りがいのある夫」で、根本には家庭を大切にしている夫です。亭主関白の夫は、妻や子供のためを考えて暮らしているのです。
しかし、モラハラ夫は考えているのは「自分のこと」だけです。自分が気に入らないから相手を攻撃するのです。思い通りにならない妻へ嫌がらせをするのがモラハラ夫です。

では、モラハラをする側にはどんな特徴があるのでしょうか。モラハラをする側にはある特徴があることが分かっています。主な特徴を説明いたします。

プライドが高くエリート

モラハラ夫は頭がいい人が多いのが特徴です。幼い頃から成績が良く、いい学校へ進学し、いい会社へ入ったいわゆるエリートコースを歩んできた人が多い傾向があります。エリートモラハラ夫は、妻を常に見下しています。
「こんなことも分からないのか。お前は馬鹿だな。」と罵ります。自分は完璧な人間だと思っているので妻にも完璧を求めるのです。帰ってきたらいい温度でお風呂が沸いていること、お風呂から出たら自分が良いと思うタイミングで食事が出てくる。そうであるべきだと思っているので、自分の思い通りにならなかった場合、「なんでお前はのろいんだ。のろまだな。」などと、妻を馬鹿にして見下し、言葉で攻撃し続けます。「俺が稼いでるからお前は暮らしていけるんだぞ。」などと、常に自分が偉い。自分がいるから家族は生きていられるのだという自信を持っています。
妻が毎日家事をやってくれていることへの感謝などはなく、当たり前だという考えです。家族は自分の支配下にあると思っているのがエリートタイプです。

他人に厳しく、自分に甘い

「他人に厳しく、自分に甘い」のがモラハラ夫の特徴です。妻には「そんなことして馬鹿じゃないか」などと罵ったのに、自分が同じことをしたりします。その時は平気な顔をして何食わぬ様子です。万が一、妻がそのことについて一言でも何か言おうものなら、「俺がやることに文句があるのか。お前が俺に言えた義理か?」などと、何百倍にもして言葉で攻撃してきます。とても厄介です。

自信家に見えて実は自分に自信がない

自分に自信があり、いつも威張っているという風に見えるモラハラ夫ですが、実はモラハラをする人は自分に自信がない人が多いのです。自分に自信がないので、いつも不安なのです。不安から他人を攻撃して、自分は偉いのだ、自分は強いのだということを確認しようとするのです。
そして、妻に対して「なんで俺のことを分かってくれないのだ!俺がこうしてほしいのに何故分からないのだ!」と妻に甘えた考えを持っているのがモラハラ夫なのです。「夫婦なんだからわかるはずだろ」などと勝手な言い分を振りかざしますが、自分は妻のことを分かろうとなどしません。お前が俺に従えばいいんだ。と思っているからです。
自信がないモラハラ夫は、自分より下に見ている妻から何か注意をされたり言いかえされたりしたら不安からさらに攻撃してくるでしょう。自分は完璧な人間だと思い込みたくて、妻に認めさせようと攻撃してきていたのに、妻から反撃されるということはモラハラ夫にとっては許せないことなのです。

器が小さい

モラハラ夫は器が小さい。器が大きい人でしたら、小さなミスをいつまでもネチネチ騒ぎ立てたりはしませんよね。妻がうっかり忘れてしまったことに対して、「だからお前はダメなんだ。」などと鬼の首でも取ったように攻撃してきます。ひどい場合は、小さなミスに対して、妻を正座させ何時間も説教する。というモラハラ夫がいます。器が大きな人でしたら、ミスを責めたりせず、フォローしてくれるでしょうし、協力して次から忘れないように助けてくれるはずです。自分に自信がなく、器が小さいモラハラ夫は妻を攻撃して自分に従わせることで、不安な心を満たそうとしているのです。

モラハラをされる側の人の特徴

モラハラを受けている側は最初は自分がモラハラを受けていると気付かない人が多いのが特徴です。モラハラとはどんなものか分からないとうことと、自分が悪いのだと思ってしまう人が多いからです。では、今度はモラハラされる側はどんな特徴があるのでしょうか。

責任感が強い

モラハラを受ける側の人は責任感が強い人が多いのが特徴です。夫に責められても、自分がやらなければいけないと思い込んでしまったり、できない自分がいけなのではないかと思ってしまいます。夫に何故できないのかと責められたとしても、「次こそは言われなくてもできるようにしよう」と思ってしまうのです。

我慢強い・自己主張が苦手

夫からのモラハラを受けても、自分さえ我慢すれば終わると、言い返さずに我慢していまいます。万が一言い返しても、何百倍にもなって言い返されるのが分かっているので、諦めと我慢で終らせようとするのです。普段から自己主張が苦手で、自分の意見がなかなか言えない面もあります。夫だけではなく、友人にもあまり自分の意見を言わない人が多いのです。

生真面目で向上心が強い

真面目で、何事も完璧にしたいと思う気持ちがあります。モラハラ夫に何か言われた時に、「自分が出来ていないから言われても仕方ない。」と思い込んでしまいます。次はこうしてみよう。ああやったら夫に何も言われないのではないか。と、次のことを考えて自分なりに上手くやろうとします。向上心が強い部分があるのです。

相手に合わせることが多い

人の喜ぶ顔が見たいと思うタイプで、自分は我慢しても相手に合わせてしまいます。自分さえ我慢したら、丸く収まると相手に合わせてしまいます。モラハラ夫に抵抗したら大きなケンカになってしまう。それを避けたいという気持ちも働いて夫に合わせようとするのです。

モラハラの原因

次に、モラハラをする夫はなぜモラハラをするのでしょうか。モラハラをするのには何か原因があるはずなのです。実は、モラハラをする原因となるのは、親との関係が大きく関わってきています。その原因について以下のことが挙げられます。

親がモラハラだった

モラハラ夫が子供の頃、自分の父親が母親に対してモラハラだった。そういう家庭で育った息子は、知らず知らずのうちに自分も父親と同じことを自分の妻にしてしまっているのです。父親が母親をバカにしているのをずっと見て育ってきたモラハラ夫は、女は男よりも劣っているという間違った価値観を持ってしまいます。
年頃になったときに、母親の言うことを聞かず馬鹿にするようになるケースもあります。多くのモラハラ夫は、父親のことが嫌いです。自分は父親のようにはならないと思って育ってきました。しかし、自分も同じことをするのです。しかし、自分が妻にモラハラをしていることには気付いていないのです。

親からの過干渉

幼い頃から親に干渉されてばかりいた子供は、自分で何も決められなくなってしまいます。親が全てのことに口を出してきて、自分の意見が持てないようになってしまいます。また、親が先回りをして何でも決めて、子供が失敗しないようにしてしまうので、子供は挫折を味わうことがなく成長します。自分で物事を考え、自分で決断したことが、もし失敗だったとしても「自分でやったのだから仕方ない」と納得する気持ちを味わったことがありません。
もし失敗したとしても、親から「だから私のいうことを聞きなさいと言ったでしょ?」と、自分で決めたことを否定されてしまうのです。そのため、自己肯定感(自分を認めてあげる感覚、すなわち、自分は大切にされていると感じる気持ち)を感じることができないまま成長してしまいます。

失敗してやり直すことも人生の中では大事なことです。それをしないまま大人になったモラハラ夫は、母親が自分にしてくれていた先回りを妻に求めます。失敗が怖いので、完璧な妻を求めるのです。
何故、俺が好きなものが夕食に出てこないのだ。何故、ああやってくれないのだ。と、やってくれないことへの不満を妻にぶつけるのです。そして、自分が愛されていないのではないか、との不安から自分より弱い立場の者へモラハラすることで自分の価値を確認しようとするのです。

親からの過保護

親から過保護に育てられると、何でも思い通りになってきたため、我慢することができない大人になってしまいます。
何かに不満を抱いても、どうしてそうなってしまったのかを考えたり、改善したりする方法を学ばなかったため、不満は怒りになってしまうのです。
だいたいのことが思い通りになってきて、自分が中心の世界。結婚しても、過保護だった母親の代わりが妻になるだけで成長していないのです。自分だけが大事で、自分が一番。他人を思いやったり譲ったりする事が出来ない人間になってしまったのです。

親からのネグレクト

子供の頃、親からネグレクト(育児放棄)を受けたことがある人は、自分をありのまま受け入れてもらうことがないまま成長します。親に大切にされたことがないので、自分を大切な存在と思えなくなってしまいます。人から大事にされた経験が乏しいため、相手を思いやる気持ちが育たなく、自分の存在さえ大切にできないようになっていまいます。結婚したら、心の奥底にある不安を満たすために、妻へモラハラを行うのです。

父親が不在

父親が仕事などで留守がちで、父親が子育てにあまり関わらずに育ってきた子供は、父親の家庭を静かに守る姿を知らずに育ちます。ついつい甘やかしてしまう母親が、過保護に育ててしまう場合もあります。

モラハラの特徴・どんな行動をする?

モラハラの特徴として、肉体的な暴力を振るうことはないということです。前述しましたが、モラハラとは、精神的に相手を傷つける精神的な暴力のことをいいます。いくつか、その行動を挙げます。もしかして、自分の夫はモラハラ夫なのではないか、と思い当たる人は以下の行動を自分の夫に照らし合わせてみてください。

外ではいい人同情を引こうと嘘をつく

モラハラ夫は自分の立場をよくするために平気で嘘をつきます。外では「良い夫」を演じているため、まわりは夫が嘘をついているなどとは思いません。「うちの妻は家事が苦手で」「料理をあまりしない」などと、妻の評判を落とすような嘘をつきます。
なぜそのようなことをするのかというと、妻の評判を下げることで「ご主人、大変ですね」と同情を引くのが目的のケース。「そんな奥さんなのに、よく我慢していますね。出来たご主人ですね」と、自分の評判を上げて優越感に浸りたいケースがあります。また、そうして妻の評判を落として、まわりを味方につけ、離婚したいと言われたときの対策のためというケースもあります。

暴力は振るわず、言葉の暴力を振るう

モラハラ夫は肉体的な暴力は振るいません。精神的な暴力は「暴力」だと思っていないのでしょう。肉体的暴力はまわりに自分が暴力を振るっていることが分かってしまいます。外ではいい夫でいたいモラハラ夫は、それは避けたいことです。また、モラハラ夫の目的は相手を自分の思い通りに支配することなので、肉体的暴力は必要ないのです。

何でも相手のせいにする

モラハラ夫は何か起こった時に、何でも相手のせいにします。家庭内のトラブルは全部妻のせいです。仕事で失敗した場合、家の中で安らげないから仕事にも支障をきたしたのだ、だからお前が悪い。と、家庭外のことまで妻のせいにするのです。モラハラ夫は自分は決して悪くない。全部まわりが悪いのだ、と責任転嫁をする傾向があります。

自分のルールがあり、従わせようとする

モラハラ夫は、自分勝手に作ったマイルールを家族に守るように押し付けます。自分にとっては常識的なルールなので、家族が拒否すると怒涛のごとく怒り出します。守れないお前らがおかしい、とまで言いだし、家族には理不尽なルールを押し付けるのです。もし、子供がそのルールを守らなかったら、妻を「お前の育て方が悪いんだ。」と責めます。

思いやりがない

そもそも、思いやりがある人はモラハラなんてしないという話なのですが。モラハラ夫は妻を思いやる気持ちがありません。妻が風邪を引いて高熱を出したとしても、体調管理が出来ていないお前が悪いと病人を責めます。具合が悪くて寝ている妻に、「俺の夕飯はまだか。」などと平気で言ったりします。家事を手伝うなんて優しい気持ちがあるはずもなく、「風邪を引いたのは自分が悪いのに、なんで俺が家事をしなければならないんだ。おかしいだろ?」と妻に言い放ちます。自分の思い通りにならない妻を責めることしかしないのです。

嫉妬深く、相手を束縛する

モラハラ夫は、自分では気付いていないだけで、妻に依存している部分があります。実は自分に自信がないモラハラ夫は、心の奥ではいつも不安なのです。妻に対しても男としての自信が持てません。結婚してもいつも不安で、妻が同窓会などへ行くと昔付き合っていた男と会うのではないか、など嫉妬にかられます。自信がないので、妻を束縛して、行動を監視します。中にはメールの返事をすぐにしないと怒り出す場合もあります。

相手の非を上から目線で責めたてる

モラハラ夫は自分が上に立たないと気が済みません。妻は常に自分より下に見ています。何かしら妻を攻撃する材料を探しているのでは?と思うほど、小さなことを見つけてしつこく責め立てます。それも夫の気分次第で、怒られることが変わったりします。モラハラ夫には自分の気分で怒り出すことも自覚がないのです。

無視する

モラハラ夫は妻を突然無視することがあります。普通、無視というと、ケンカなどをして頭にきて話をすることが嫌になって、という流れですよね。しかし、モラハラ夫の無視は突然始まります。ケンカをしていたのであれば、妻にも無視された原因が分かりますし、対処のしようがあるのです。でも、モラハラ夫は妻が理由もわからないような無視の仕方をします。突然に無視は始まって、妻の存在さえないもののように振る舞います。子供には普通に話すのに妻が話しかけても無視します。
外ではいい人なので、近所の人の前では妻と普通に話しかけます。しかし、家の中に入ると途端にまた無視し始めるのです。この無視の期間は数日で終ることもありますが、数か月も続くこともあるのです。妻の心は傷つき、疲れ果てます。こうなると、無視は立派な暴力です。

突然豹変する

モラハラ夫は結婚前までは普通だったという人が多いのです。優しいことも言ってくれたし、協力的だったという人が突然豹変するのです。そのきっかけは、結婚、妊娠、出産が多いと言われています。結婚前までは妻と結婚したいという思いから優しさを見せますが、相手が家庭から逃れられないという状況になると態度が一変するのです。モラハラは突然始まることが多いので、結婚前に見抜くことは難しいのです。

たまに優しくなる

モラハラ夫はいつも怒っているわけではなく、たまに優しい言葉を言うことがあります。暴言を吐いた後に泣きながら謝ってきたり、愛しているなどと、優しい言葉をかけてきたりします。
でも、それはモラハラ夫の常套手段で根本が変わったわけではないのです。泣きながら、「お前がこうだから俺は怒ってしまったんだ。もう俺をこんな風にさせないでくれ。」などと訴えてくることもあるでしょう。そうすると、妻は「夫を怒らせてしまったのは私が悪い。怒ったことを後悔して泣いているなんて。夫に悲しい思いをさせてしまった。」などと、思ってしまうのです。

モラハラへの対処方法

モラハラを受けている側は本当に辛いです。このままだと心身ともに参ってしまいます。モラハラへの対処法はあるのでしょうか。

相手をおだてて、立てる

モラハラ夫は自分が上位に立っていないと気がすみません。ですので、妻はいつでも夫を立てておだてると気分が良くなります。表面上だけでいいのです。夫をおだてて、気分良くさせておくことでモラハラは減るでしょう。

暴言を聞き流す

はじめのうちは出来ないことかもしれませんが、モラハラ夫が暴言を吐きだしたら、口では返事をしつつ(返事をしないとますます相手をヒートアップさせてしまうので)心の中では受け流しましょう。表面上だけでも頷いていればいいのです。

第三者へ相談する

一人で悩まず、信頼できる人や機関へ相談しましょう。夫の家族へ言っても悪化する可能性があります。夫の家族はもしかしたら親もモラハラである可能性もあるのです。また、親が過保護な人だったら、自分の息子をモラハラ扱いする嫁の言うことなど聞くはずがありません。義理の親から攻撃され、また傷ついてしまう、二次被害に遭う可能性もあるのです。

別居・離婚する

色々対処しても夫のモラハラが治らない場合は、思い切って別居や離婚を考えるのも自分を守る解決方法になるでしょう。子供のために、と我慢する必要があるのでしょうか?自分の父親が母親に対してモラハラをしている家庭で育った子はどんな大人になるのでしょうか。
前述しましたが、親がモラハラだった場合、子供もモラハラをする可能性があるのです。自分の子供をモラハラする側にしたくないですよね?

我慢せず相談して前進しませんか?

モラハラは立派な暴力です。肉体的な暴力とは違って見た目に傷はつきませんが、心の中は傷だらけです。我慢せず、行動を起こしてみるのも大事なことだと思います。
こんなに辛いのだったら家出しようか、などと考えている方もいるかもしれません。離婚することを本格的に考えるのであれば、別れてからの生活のことなども考えなければいけません。インターネットにモラハラを受けた妻のブログなどもあります。色々な情報を収集してみるのもいいでしょう。我慢しなくていいのです。信頼できる人に相談をして、前に進んでみませんか?

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